ちょいワルの味方!Vゾーンをおしゃれに着こなそう

ビジネスシーンにおける、「ちょいワル」スーツ

ビジネスシーンにおける、「ちょいワル」スーツ

■「ちょいワル」の基本スタイルはスーツかジャケット&パンツ

スーツ姿の男性は3割り増しで良く見える、という言葉を聴いたことがある。女性に聞くと、かなりの割合で同意を得られるので、どうやらこれは本当の事らしい。確かに、スーツ姿も凛々しく、真剣に仕事に向かう男性は、魅力的だ。また、「ちょいワル」の基本スタイルはスーツかジャケット&パンツという意見もあるくらいなので、「ちょいワル」にとってはスーツが必須アイテムといえるかもしれない。ただし、白いYシャツに時代遅れのダボッとして見えるスーツ、なんていうスタイルは例外だ。もっとも、最近は一部の年代を除き、まず見かけなくなった。私の周りでも、白いYシャツはもっぱら冠婚葬祭用という人がほとんどである。

そうなると、スーツはもとよりYシャツやネクタイ、靴、鞄といった小物を含めたコーディネートに頭を悩ませることになる。専門の販売店に行けば、最新の流行モデルから伝統的なスタイル、トラッドスタイルなど、多種多様なスーツがあるから、売り場をうろうろとさ迷うはめになりかねない。そんな迷える「ちょいワル」予備軍の人のために、ビジネスシーンで使える「ちょいワル」のスーツを探ってみたい。

スーツは、もともとイギリスが発祥といわれている

■アメリカンスタイル

最初に、スーツの基本からおさらいしよう。音楽でも美術でもスポーツでも、土台としてしっかり基礎や基本を身につけているからこそ、もうひとつ上の技術の習得や基本のアレンジができる。ファッションもまたしかりである。基本があるからこそ、着崩したり遊んだりすることがカッコよくできるようになるのだ。 スーツは、もともとイギリスが発祥といわれている。そのため、すべてのスーツはここから派生しており、ブリティッシュスタイルこそが、歴史と伝統に裏打ちされた、正統派ということになるだろう。英国紳士をイメージしてもらえると分かりやすいと思うが、かっちりとしたスタイルで、色も濃紺やグレーといったシックなものがメインであり、重厚さや力強さを感じさせる胸の厚みを強調するデザインが特徴だ。アメリカンスタイルは、ボックスシェイプといわれるウエストなどに絞りを入れない寸胴のつくりが特徴で、肩もナチュラルに作られており、気やすくて動きやすい。人種の坩堝であるアメリカらしく、個性的なものも多い。

クラシコイタリア

■アメリカントラッドのスーツ

日本でアイビーブームが起こった当時に流行ったスーツスタイルは、このアメリカントラッドのスーツである。最後に、イタリアンスタイルを紹介しよう。正統派シックなブリティッシュスタイルに対して、イタリアンスタイルは、個性やエレガンス、セクシーさといった点を重視いている。つまり、イギリスで生まれたスーツをファッションとして確立したのが、イタリアなのだ。そのため、肩や体のラインを見せる、しなやかなつくりであり、使用される素材自体にもそうしたやわらかさを生かしているものも多い。色味も色気を感じさせる華やかなものや、アクセントのあるものが好まれる。スーツの歴史の中で、その時々の流行にあわせて何度も変化を繰り返してきた、イタリアの伝統を受け継ぐスーツをクラシコイタリアと呼ぶが、これはクラシコイタリア協会に所属している会社のみが名乗ることを許された、まさにイタリアンクラシックとも言うべきスーツである。

ちなみに、「ちょいワル」の基本がこのクラシコイタリアだ。これを少しだけ着崩して、ちょっとだけワルい雰囲気のあるものを取り入れたら完成するのだが、残念ながらビジネスシーンでは、あまり向かない。ビジネスシーンで着用するなら、クラシコイタリアを意識したスーツに、色気を演出してくれる華やかなネクタイをチョイスすれば、「ちょいワル」のビジネススタイルの完成というわけだ。ちなみに、本来ならドレスシャツの着こなしにインナーは不要なのだが、ビジネスシーンにおいては、汗や身体の臭いは到底歓迎されないので、そこは優秀な日本のインナーに協力してもらったほうが無難だろう。